「最近、疲れやすくなった気がする…」「何か運動しなきゃとは思うけど、ジムはハードルが高い」。そんなふうに感じることはありませんか?
体を動かしたい気持ちはある。でも、どこから始めればいいかわからない——。そんな方のために、理学療法士の視点から「自宅でできる、シンプルな筋トレ入門」をまとめました。
📋 この記事でわかること(先に3つだけ)
- 5種目で全身をバランスよく動かすのがおすすめ
- 回数は最初は少なくてOK。慣れてきたら10回×2セットを目指す
- 道具は必須ではなく、慣れてきたら環境を変えるのも方法
この記事を書いた人:理学療法士(PT)。整形外科クリニックでの勤務経験に加え、スポーツトレーナーとしての活動経験あり。わんこ(のあ)と暮らしながら、体への負担を減らす旅とからだのケアを発信しています。
運動不足を感じたら、まずは自宅筋トレから

体を動かした方がいいってわかってるんだけど、なかなか始められなくて…

始めるハードルが高いだけで、やること自体はシンプルだよ。まずは自宅からで十分。
疲れやすさや体力の低下を感じたとき、いきなりジムに通い始める必要はありません。
WHOの身体活動ガイドライン(2020)では、成人に対して主要な筋肉を使う運動を週2日以上行うことをすすめています。ですが最初のハードルは、できる限り低い方がいい。自宅で道具なしでできる筋トレは、その入口として十分です。
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全身をバランスよく動かすのがおすすめ

自宅でできる運動って、どんなものがあるの?

特別な道具はいらないよ。体ひとつで、バランスよく動かせる種目があるんだ。
筋トレというと複雑なメニューを想像しがちですが、運動不足を解消するには主要な筋肉をバランスよく動かすことが基本です。
難しく考える必要はありません。できる範囲で少しずつ続けることが、十分な土台になります。
まずは週1回・1セットからでもOK

毎日やらないと意味がないんじゃないの…?

週1回・1セットでも、やらないよりずっと意味がある。まず始めることの方が大事だよ。
運動習慣がない方は、最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。近年の研究では、運動を始めて最初の数か月は、週1回・各種目1セットでも筋力や筋量が向上したという報告があります。
💡 目安の頻度・回数
- 最初:週1〜2回 / 各種目5〜10回 / 1セット
- 慣れてきたら:10回 × 2セットを目指す
- 余裕があれば週2〜3回に増やすとさらに効果的
- 「毎日やらないと意味がない」は誤解。まずゼロをなくすことが最優先
理学療法士が選ぶ自宅筋トレ5選

いよいよ実践!どんな種目があるの?

下半身・お尻・ふくらはぎ・上半身・体幹の5つ。どれも道具なしでできるよ。
イスを使ったスクワット(下半身)
太ももとお尻の大きな筋肉をまとめて使える、自宅筋トレの中でも効率よく取り入れやすい種目です。イスを使うことで動きが分かりやすく、膝への不安がある方でも始めやすいのが特徴です。
- イスに浅く座り、足を肩幅に開く
- お尻を後ろに引くイメージで立ち上がり、ゆっくり座る(2〜3秒かけて下ろす)
- 慣れてきたら10回 × 2セットを目安に(最初は5〜10回 × 1セットからでもOK)

PT視点:膝がつま先より前に出すぎないようにするのがポイント。膝に不安がある方はイスを高めにすると負担が減ります。立ち上がり・散歩・旅行先での歩行にも直結する種目です。
ヒップリフト(お尻)
仰向けでお尻を持ち上げる種目です。デスクワークや長時間の運転でゆるみがちなお尻の筋肉(殿筋)を鍛えます。腰に不安がある方にも取り入れやすい種目です。
- 仰向けで膝を立てる
- お尻を持ち上げ、肩〜膝が一直線になるところで1〜2秒キープ
- 慣れてきたら10回 × 2セットを目安に(最初は5〜10回 × 1セットからでもOK)

PT視点:「腰で持ち上げる」感覚になっていないか確認するコツは、お尻に手を当ててみること。持ち上げたときにお尻の筋肉に力が入っていれば正解です。抱っこ・荷物を持つ・立ち上がりの動作にも関係します。
カーフレイズ(ふくらはぎ)
つま先立ちを繰り返す種目です。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、血液を心臓に戻すポンプの役割があります。わんこの散歩や旅行先で長く歩くためにも大切な筋肉です。
- 壁や机に軽く手を添えて立つ
- かかとをゆっくり上げて、ゆっくり下ろす
- 慣れてきたら10回 × 2セットを目安に(最初は5〜10回 × 1セットからでもOK)

PT視点:ふらつく方は必ず壁や手すりに手を添えてください。転倒予防が最優先です。
膝つき腕立て伏せ(上半身)
胸・肩・腕・体幹をまとめて使う種目です。通常の腕立て伏せより負荷が軽く、上半身の筋トレ入門として取り入れやすいのが特徴です。
- 床に膝をついた状態で、手を肩幅より少し広くつく
- 肘を曲げて胸を床に近づけ、ゆっくり戻す
- 慣れてきたら10回 × 2セットを目安に(最初は5〜10回 × 1セットからでもOK)

膝つきでもきつい方・手首に不安がある方は→ 壁腕立て伏せから始めましょう。壁から一歩離れて手をつき、体を壁に近づけて戻すだけでOKです。
PT視点:慣れてきたら膝を浮かせた通常の腕立て伏せに進めます。わんこを抱っこする・リードを支えるといった動作にも上半身の筋力は関係します。
デッドバグ/バードドッグ(体幹)
体幹(おなか・背中まわり)を安定させる種目です。姿勢の維持や腰の安定、歩行の土台づくりに役立ちます。
| デッドバグ (腰に不安がある方・まず試したい方) |
仰向けで両手両膝を上げ、対角の手脚をゆっくり伸ばして戻す。仰向けで行うため腰が反りにくく、安心して始めやすい。 |
| バードドッグ (慣れてきた方・バランス力も鍛えたい方) |
四つ這いで対角の手脚をまっすぐ伸ばしてキープ。体幹・お尻・姿勢の安定を同時に鍛えられる。 |
PT視点:デッドバグは腰を床に押し付けるイメージで行うのがコツ。バードドッグは腰が反らないよう、体を水平に保つ意識で行いましょう。腰に不安がある方はデッドバグから始め、慣れてきたらバードドッグに進みましょう。
道具は必要?

ストレッチポールとか、ダンベルとか、揃えた方がいいの?

最初は何もいらない。道具を揃える前に、まず体を動かしてみることの方が大事だよ。
結論から言うと、道具は必須ではありません。まずは自重(自分の体重)だけで十分です。道具を揃えることがハードルにならないように、まずは何もない状態から始めてみましょう。
一人で続けにくい人は環境を変えるのもあり

自宅でやってみたけど、フォームが合ってるか不安で…なんか続かないんだよね。

それは自宅トレの限界でもある。最初の数回だけでも専門家に見てもらうと、その後が全然違うよ。
自宅トレを試してみたけれど、こんな方もいるかもしれません。
- フォームが正しいかどうか不安
- 何をどれくらいやればいいか迷う
- 一人だとどうしても続かない
そんなときは、環境を変えるのもひとつの方法です。最初の数回だけでもフォームを見てもらうと、その後の自宅トレが格段にやりやすくなります。
パーソナルジムや、ピラティス・ヨガスタジオは、一人では続けにくい方の受け皿になりやすいです。詳しくは以下の記事で比較しています。
こんな症状がある場合は医療機関へ
⚠️ 次のような場合は、運動の前に医療機関に相談してください。
- じっとしていても強い痛みがある
- 足のしびれや力の入りにくさがある
- 動かすと鋭い痛みが走る関節がある
- 息切れや動悸が気になる
- 持病があり、運動の可否を医師に確認していない
筋トレは体に良いものですが、痛みを我慢して行うと逆効果になることもあります。違和感がある場合は無理をせず、専門家の判断を仰ぎましょう。
まとめ|週1回、できる範囲から始めよう
| どんな種目から始める? | バランスよく動かせる5種目を参考に、できる範囲から始めるのがおすすめ。 |
| 頻度・回数 | まずは週1〜2回・無理のない回数から。慣れたら10回×2セット・週2〜3回へ。 |
| 道具 | 必須ではない。まずは自重から。負荷を上げたい場合は、回数・セット数・動作のゆっくりさで調整する。 |
| 続かない場合 | 環境を変えるのも方法。パーソナルジム・ピラティス・ヨガで最初のフォームを身につけると、自宅でも続けやすくなる。 |

何から始めればいいか、やっとわかった気がする!

まずはイスのスクワット10回。それだけでも今日の体は昨日より動いてる。続けるうちに、日常のあちこちが変わってくるよ。
運動は、難しく考えるほど続きません。できる範囲で週1〜2回。元気に毎日を過ごし続けるための、身近な一歩です。 犬との散歩や旅行を、いつまでも元気に楽しむための土台は、今日の小さな一歩からつくれます。
参考文献
- Bull FC, et al. World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour. Br J Sports Med. 2020.
- Iversen VM, et al. No Time to Lift? Designing Time-Efficient Training Programs for Strength and Hypertrophy. Sports Med. 2021.
- Androulakis-Korakakis P, et al. The Minimum Effective Training Dose Required to Increase 1RM Strength in Resistance-Trained Men. Sports Med. 2020.
- Calatayud J, et al. Tolerability and Muscle Activity of Core Muscle Exercises in Chronic Low-back Pain Patients. Int J Environ Res Public Health. 2019.

